アラブ首長国連邦:CEPA承認後、食肉セクターにとって新たな市場

多文化国民で、年間の海外観光客が2,500万人を超えるアラブ首長国連邦(UAE)において、鶏肉、とりわけ、豚肉への需要が増加を見せている。チリ・UAE間の包括的経済連携協定(CEPA)の上院での承認により、チリの食肉産業にとって新たなチャンスが開かれる。

ガブリエル・ボリック大統領訪問の間、2024年7月、アブダビで署名されたこの協定は、チリから輸出される製品の97%、そして、UAEから輸入される製品の99%に特恵関税が適用され、食品の大半を輸入に依存するダイナミックな市場への参入と競争力を高めることになる。

豚肉と鶏肉:多文化市場において可能性のある食肉

イスラム教が地元の市民に豚肉の消費を禁じているものの、海外出身者や観光客により、この食肉の需要は維持され、専門スーパーマーケットやホテル、高級なレストランで提供されている。

併せて、鶏肉は、UAEで最も多く消費されている食肉で、小売店と共に外食産業(ホテル、レストラン、ケータリング)においても根強い人気がある。これにより、チリの輸出業者にとっては幅広いポテンシャルを持つ製品となっている。

現在チリは、豚肉生産量の56%、鶏肉生産量の28%を輸出している。これは、セクターのダイナミズムを示す数字であり、UAEの市場開放によって、今後拡大することが可能となるだろう。こうしたチャンスをうまく利用するためには、しっかりとしたコールドチェーンとトレーサビリティが重要となる。これらは、チリの産業が競争力を高めてきた点である。

「アラブ首長国連邦におけるチリ産豚肉の市場開放は、チリ産豚肉の輸出先の多様化のために、SUBREI、SAG、業界によって主導された、官民セクター間の共同作業を示す素晴らしいニュースです」と、チリカルネ会長のフアン・カルロス・ドミンゲスは指摘した。さらに、UAEには、年間2,500万人以上の観光客が訪れ、人口の89%が海外出身者であることから、専門スーパーマーケットや外食産業、国際的な料理において豚肉の需要は高いと付け加えた。

一方、チリ貿易振興局局長のイグナシオ・フェルナンデスは、「この市場開放は、この種のチリ製品がプレゼンスを持たなかった市場に参入するための素晴らしい機会です。昨年は、UAEに6,300万ドルを超える食品を輸出しました。特に、子供向け食品、クルミ、干しブドウ、サーモン、深海タラ、生鮮キウイです。したがって、豚肉は、今後、輸出産品の多様性を広げ、健康的で安全な食品のサプライヤーとしてチリのポジショニングを強化することになるでしょう」と強調した。

中東におけるチリ産食肉の戦略的市場

アラブ首長国連邦は、1人当たりの年間GDPが47,000ドルを超え、サービス業、貿易、ラグジュアリーツーリズムをベースとする経済を有している。その人口構成と海外からの多くの来訪者が、高品質かつ安全で、トレース可能な製品を好み、輸入動物性タンパク質への洗練された需要を支えている。

CEPAの署名は、競争力のある関税条件やプロセスの簡素化を確保し、中東における戦略的な貿易ハブにとって信頼できるサプライヤーとしてチリをポジショニングするものである。ドバイから、チリの製品は、UAEだけでなく、サウジアラビアやクウェート、カタールといった、高い消費・購買力を有するその他湾岸諸国へも供給される可能性がある。

チリの輸出品は、無害性、トレーサビリティ、国際認証の高い基準を履行していて、そのため、UAEのような要求の厳しい市場にとっての信頼できるオプションとして位置づけられる。

このように、チリは、魅力的な市場にアクセスするだけでなく、中東におけるポジショニングも強固にしている。